【春は誕生の季節】
参考文献
東洋医学のセルフケア365日 長谷川淨潤
人の体は、春になると後頭部が開き、肩甲骨が開いて、骨盤が緩んできます。私たち人間は、来たるべき季節を予知して準備を始める能力が備わっています。
日本は四季の変化に富むのが特徴ですが、四季の移り変わりに応じて体がダイナミックに変化する事で、体が活性化します。
厳しい冬の寒さには神経を集中して耐え、暑い夏には解放感にひたるなど、季節ヘの適応を通じて感受性も豊かになります。
四季を乗り越えられる体が健康な体と言えます。
四季の中でも、春は誕生の季節。人間で言えば幼児期から少年期なので、健康な体の基礎を作る大切な時期となります。
春の体・・・後頭部が開き、次いで肩甲骨、そして骨盤が開いて行くので骨盤にある生殖器系統や腸の動きが活発になります。まさに骨盤の季節なのです。
春に花の匂いに敏感になるのは、骨盤の動きが活発になることに関係しています。
嗅覚は卵巣の働きと深い関係があり、骨盤の弾力がなくなり生殖腺の機能が低下してくると、匂いを感じなくなってきます。
性ホルモンの分泌が少なくなってくることとも関係があると思われるので、逆に嗅覚を取り戻す事で不妊症が治る例もあります。
冬の季節の首の緊張や目の緊張が残っている場合は、首と目の疲れを取ります。
特に目の緊張は骨盤の動きを鈍くさせます。目の緊張を取り緩めてやれば、骨盤も緩んで動きが活発になります。
春のケア・・・骨盤を緩めるためには、心を空っぽにして、できるだけポカーンとする。余計な気張りは骨盤の動きを妨げるので、明るい空想をしてリラックスしましょう。
この時期に婦人科系統や骨盤系統を改善するのに一番効果的です。
花粉症・・・肝臓が硬くなってくたびれている。原因は、右腕の疲労と目や神経(頭)の疲労が考えられます。
右腕の疲労が右の肩甲骨に負担をかけ、それが肝臓にまで波及し、そのぶん、左で頑張ろうとして左肩が上がっているため、左の肩甲骨の動きが悪くなっています。
花粉症の人たちは、左の肩甲骨が硬くなっている場合がほとんどです。左側なので心臓にも負担がかかる傾向があります。
くしゃみは硬直した首と左の肩甲骨をほぐすことができるのです。体の内部の異常を調整しようとしているので、花粉症が出ないと、一気に心臓病や肝硬変になる可能性もあります。
花粉症は、体の中の異常を知らせるサインで、同時に異常を調整しようとする体の働きなのです。
肩甲骨を積極的に動かすこと、また肘湯がお薦めです。